女性のキャリアプラン、どう立てる?~5つのステップで考えてみる~

女性のキャリアプラン、どう立てる?~5つのステップで考えてみる~
最近では日本でも、結婚や出産を経て、子育てしながら仕事でも活躍する女性が増えています。

一方、ライフイベントの影響を受けやすいのは、昔も今も女性であることは変わりません。共働き世帯が増え、「イクメン」「男性育休」という言葉が流行している昨今でも、家事や育児の負担が多いのは、やはり女性の方です。

多くの女性が結婚、出産、育児といったライフステージの変化に伴ってキャリアについて悩んでいます。

そこで本記事では、ライフステージごとに女性がキャリア形成する上で大切なことを整理しながら、キャリアプランの作り方について解説します。

さらに、理想のキャリアを実現するためのちょっとしたコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。出産や子育てを理由に、自分のキャリアに迷っていたり、悩んだりしている方も、まずは最後まで読んでみてください。
目次

女性ならではの「キャリア」における悩みの内容や原因

女性のキャリアにおける悩みは、ライフステージの変化に伴って変わっていきます。

独身時代は自分がやりたいことを追求し、好きなだけ仕事に時間を費やせます。しかし「結婚」というステージに移ると、家庭と仕事の両立を考えなければなりません。

パートナーと相談して家事の分担をする必要が出てきます。また、パートナーの転勤によって退職をせざるを得ないこともあるでしょう。

次に「出産・育児」のステージです。
産休・育休明け直後には長時間勤務は難しく、子どもの急な病気などを理由に仕事を抜けたりお休みすることも増えます。ただでさえしんどいのに、職場の上司や同僚から理解を得られなければ、「このまま仕事を続けたものか…」と思い悩んでしまうこともあるでしょう。

さらに、子育てがひと段落しても簡単に以前のような働き方を取り戻せるとは限りません。人によってはキャリアが断絶してしまったと劣等感を感じたり、すでに退職していると正社員として復職することを諦めてしまいます。

多くの女性は、キャリアを自由に選択できるようになったその裏で、家庭や育児と両立して働くことが求められます。その中で、「仕事をする自分」と「家庭の中の自分」とのバランスに苦しみ、中長期的なキャリア形成に悩み、限られた時間の中でキャリアの取捨選択を余儀なくされているのです。

【4つのライフステージ別】女性のキャリア形成において大切なこと

ライフステージごとに大切にしたいことの優先順位が変わったり、できることが限られたりするのは自然なことです。

大切なのは、それぞれのライフステージにおいて中長期的なキャリアプランを踏まえた計画を立てること。

ここでは女性が理想のキャリアを積み重ねていけるよう、ライフステージごとに考えておくべきこと、やっておいた方が良いことをご紹介します。


独身期
大学や専門学校などを卒業し、初めて社会に出る時期です。この時点で中長期的なキャリアプランがしっかりと描けている人はまだ少なく、「自分にはどんな可能性があるのだろうか」と手探りな状態。

このライフステージで女性のキャリア形成において必要なのは、以下の3点です。

・社会人としての土台を築くこと
・キャリアにおけるロールモデルを見つけること
・できるだけ多くの経験を積むこと

中長期的なキャリアを構築していく上で重要なのが、ビジネスマナーやコミュニケーション力といった社会人としての基礎スキルです。こういった基本的な部分は、ともすると軽視されがちですが、意外ときちんと身につけている人は少ないものです。産休や育休といったブランクがあっても、基礎スキルの土台がしっかりとあれば重宝されます。

また早いタイミングで、自分が理想とする働き方や生き方を実践しているロールモデルが見つかると尚良いです。これは会社の先輩や上司といったケースが多いですが、最近ではキャリア系SNSを通じて知り合ったり、勉強会やセミナーなどで出会うこともあるでしょう。

そして独身期は、異業種への転職や資格取得、新しい分野への挑戦も、身軽に自分だけで決断できる時期。ここでさまざまな経験を積むことで、これからの人生における選択肢は増えるでしょう。


結婚期
結婚は、女性のその後の人生を大きく変える可能性が高いライフイベントです。なぜなら独身期と違い、自分のやりたいことを勝手に一人で判断したり決断しづらくなることに加えて、出産の有無やタイミングも視野に入れ始める時期だからです。

パートナーの転勤や異動が自身のキャリアに影響することもあるでしょう。パートナーを支えてあげたいから自分のキャリアを諦める、という判断をする人もいます。子どもが欲しい場合には、出産のタイミングを見据えたキャリア設計も必要になってきます。

一方、この時期は、仕事で責任あるポジションを任されたり、転職を考えたりするキャリアアップの時期でもあります。すぐに出産や子育てを予定していないのであれば、キャリアの可能性を飛躍的に伸ばす絶好のタイミングでもあります。

この時期に、女性のキャリア形成においてポイントとなるのは、以下の2点です。

・妊娠・出産の時期とキャリアアップのタイミングを考えること
・仕事におけるキャリアの方向性を定めること

妊娠・出産を望むのか? 
望むとすればそれはいつ頃が良いのか?
それまでにどんなキャリアを積み上げておきたいのか?
これらを検討することが大切です。

例えば、多くの企業では産休・育休制度を利用できるのが入社後1年以上が経った社員に限られます。そのため、転職を望むのであれば、妊娠・出産を見据えて逆算して動き出す方が賢明です。

また、キャリアの方向転換もしやすいこの時期に、今後のキャリアパスについても模索しておきましょう。現職の仕事内容が自分自身の強みや価値観とマッチしているか、もしマッチしていないとしたら、どのような方向性でキャリアを積み上げていきたいか、中長期的なキャリアの道筋をある程度定められると良いですね。


出産・子育て期
妊娠・出産を機に、女性の生活環境は一変します。出産の前後にかけて産休や育休を取得する場合、約1年半〜2年間くらい子育てのために仕事を離れることになります。またこの時期に、会社を退職する決断をする方もいます。

この時に女性のキャリア形成において大切なことは、以下の3点です。

・働き方について会社や家族に相談すること
・今後の働き方の見通しを立てること
・育休中に、できる範囲で副業やスキルアップに挑戦すること

できるだけ産休・育休に入る前のタイミングで、会社や家族と働き方について相談しておきましょう。例えば、職場復帰後に仕事と家庭を両立するために、リモートワークや時短勤務、子育て支援制度など、どのような会社の制度を利用できるのかを事前に確認しておきます。

復帰後にどのようなポジションでどのような仕事がしたいか、あくまでその時点での希望であっても、会社に伝えておくことで可能性が残せるでしょう。

家庭においても、産休・育休を経て職場復帰するまでのスケジュールをパートナーと共有する必要があります。いつ頃から保活を開始して職場復帰を果たすか、職場復帰後の保育園の送迎や家事・育児分担はどうするかなど、あらかじめ相談しておくと後々スムーズですね。

職場復帰後のことも含めて、今後のキャリアのあり方について考えることも大切です。育休明けは現職復帰が基本ですが、時短勤務など働き方を変えたい。あるいは、元々残業や休日出勤が多い部署に在籍している場合には、別の部署に異動したい…など、子育てをする中で働き方に関する気持ちの変化が生まれる可能性もあります。

育児のスキマ時間を活用して、フルリモートの副業にトライしたり、オンライン講座・セミナーを受講してスキルアップを図ることもオススメです。出産直後にはなかなか余裕がないと思いますので、子育てが少し落ち着いてきたタイミングで自分のペースで始めてみましょう。

子育て期は、仕事やキャリアに対してブレーキを踏むように感じることもありますよね。しかしこの時期は、「キャリアを中断する」「働き方を妥協する」ではなく、「仕事を続けていくための前向きな選択をする」と捉えましょう。子育ての経験が仕事に活きることもありますし、一度職場を離れることで自分の中長期的な働き方を見つめ直す機会にもなります。


独立期
子育てがひと段落すると、女性の働き方は多様性を増します。
フルタイムの正社員として本格的にキャリアアップを目指す人もいれば、仕事と家庭のバランスを考えて時間に融通の利く働き方を選択する人も。

出産を機に退職していた人も、出産前のキャリアを活かして再就職したり、未経験から改めて新しい環境で挑戦を始めることもできるでしょう。

この時期、女性のキャリア形成において目指すべきことは、以下の3点です。

・理想とするライフキャリアを明確にすること
・社内価値を高めること
・専門性を活かして働くこと

上述したように、独立期になると女性にとってさまざまな生き方と働き方の選択肢が出てきます。結婚や妊娠、出産、子育てなどのライフイベントを経て、仕事と家庭と子育てを、どのように両立していきたいのか? また、仕事一つとっても、どのように働きたいのか? 仕事から何を得たいのか? といったことを自分の中で整理していきます。

イメージとしては、自分の「理想の生き方」を描き出した上で、「理想の働き方」を導き出すような感じです。

仕事を継続してきた人は、社内で実績を伸ばしたり、管理職を目指したり、社内価値を高めたい時期。会社の中でどんな立場を得たいのか、どんな仕事をしたいのか、キャリアプランを明確にしましょう。

他にも、これまでのスキルや経験を活かして転職をする、専門性を活かしてフリーランスになり、複業を持つといった道もあります。スキルや経験の棚卸しはもちろん、仕事を通してなりたい姿、ありたい自分像を具体的にすることが大切です。


キャリアプランのつくり方 5つのSTEP

ここまで女性のライフステージごとにキャリア形成において大切なことをご紹介してきました。それぞれのステージにおいて、どんな生き方/働き方をしたいかを考えることの大切さは理解できたのではないでしょうか。

ここからは、キャリアプランのつくり方を解説します。

現時点で理想の生き方や働き方を見つけ出せていない方や、今の仕事にやりがいやゴールが見い出せない方も、以下を参考に自身のキャリアプランを今一度考えてみてくださいね。


ステップ① WANTの整理〜自分が好きなこと・やりたいことを洗い出す〜
キャリアプランをつくる上で、まず第一にやっておきたいことは、「好きなこと・やりたいこと」の整理です。

「好きなこと・やりたいこと」は、自分の内側から湧き出る欲求であり、キャリアの原点となるものです。大人になるにつれて、どうしても「自分は何ができるか」「人よりも優れているところはどこか」ということに気を取られがちですが、好きなことや夢中になれることを、キャリアでも実現すればより一層高い充実感を得られます。

「好きだけど現職と関連がない」「やりたいけどリスクがある」といったことはいったん考えず、純粋に好きだと思うこと、やりたいと感じることを挙げてみましょう。

なかなか思いつかない人は、「やっていて楽しいこと」「苦ではないこと」「人より得意なこと」を挙げてみても良いです。子どもの頃に夢中になっていたことや長く続けていた習い事を思い出すこともヒントになるかもしれませんよ。


ステップ② CANの整理〜自分ができること・得意なことを洗い出す〜
次に、「できること・得意なこと」を洗い出します。これまでの経験で身につけた強み・スキルの棚卸しでもありますね。

以下のように、2つに分類して書き出してみましょう。

・専門知識・技術:特定の業種や会社で活かせるスキル
・ポータブルスキル:どんな業種、会社でも活かせるスキル

この時に注意したいのは、他人と比べないことです。「周りと比較すると得意とは言えない」「もっとできる人がいるから強みではないかも」などの比較はせずに、あくまでも自分のものさしで「できること・得意なこと」を挙げましょう。


ステップ③ キャリアビジョンの策定〜最終的に何を実現したいのか〜
次に、STEP①②を踏まえて、最終的に自分がどうなりたいのか、何を実現したいのか、キャリアビジョンを策定します。

例えば、以下のように「なりたい姿」を掲げた場合。

「営業目標を達成しながらも定時で帰宅し、子どもとの時間を過ごす。スキマ時間で資格を活かして好きなxxxの分野で副業。本業+副収入は○万円/月」

これに対し、「子どもとの時間は何をして過ごしたい?」「好きなことを副業にするには、どんな資格が必要?」「副業に充てる時間を、どうやって捻出する?」といった質問を自分自身に問いかけることで、キャリアビジョンはより具体化されていきます。

また、キャリアビジョンの策定がうまくいかない場合、ロールモデルを探してみるのも1つの方法です。理想的なキャリアを築いている身近な人でも、著名人でも構いません。職種や環境が自分と似ている人を選ぶと、「この人だったらどうするか?」を自分自身に当てはめて考えやすいので、行動指針をイメージしやすいですよ。


ステップ④ ロードマップ作成〜キャリアビジョンを実現するための準備〜
キャリアビジョンを実現するためには、ロードマップの作成が必要です。以下のようなことをあらかじめ想定し、キャリアビジョンを実現するためのおおまかな計画を立てておきましょう。

・STEP③で描いた「キャリアビジョン」はいつ頃のイメージか
・キャリアビジョンを実現するために、1年後、3年後、5年後はどの状態まで到達していると良いか
・そのために今できることは何か

キャリアビジョンを実現するためには、途中の細かい目標を設定すること、それらの期限を明確にしておくことが重要です。

そして「そのために今できること」のリストアップまで行えば、キャリアプランは完成。キャリアビジョンの実現に向けて、具体的な行動に移しましょう。


ステップ⑤ 進捗確認〜定期的にキャリアプランを見直す〜
キャリアビジョンとそれを実現するためのロードマップができたら、定期的な進捗確認が大切です。

それにより、キャリアビジョンの実現に向けて前進できているか、ロードマップや目標を調整する必要はないかを確認できます。

また、ライフイベントや価値観、環境の変化に伴い、キャリアビジョンが変化することもあるでしょう。そのため、目標や計画に柔軟性を持たせることも必要ですね。

理想のキャリアを実現するためのアドバイス

キャリアプランは立てたら終わりではなく、そこからがスタート。理想のキャリアを実現するために行動に移さなければなりません。

ここでは、理想のキャリアをかなえている人たちが実践しているちょっとしたコツをご紹介します。


たくさんの選択肢を知ろう
一人でキャリアについて考えていても、うまく進まないこともあるでしょう。身近にロールモデルがいないことで、「自分には無理なのでは…」と諦めてしまう人もいます。

しかし、理想のキャリアを実現するために活用できるものは身近にたくさんあります。

例えば、SNSを利用して情報を得たり、理想の働き方をしている人とつながることもできます。キャリア関連のイベントに参加すれば、人脈が増えて有益な情報を収集できるようになるかもしれません。また、プロのキャリアコンサルタントの力を借りることで、自分だけでは考えつかなかった道筋が見えてくることもあります。

どのやり方がベストなのかはケースバイケースですが、どれも手軽に始められることなので、まずは深く考えずに行動してみることをお勧めします。


キャリアプランを立てるときに「ライフ」の希望も組み込もう
「キャリアプラン」という言葉から、キャリア(仕事)に関することだけに特化したプランだと思われがちです。しかし、キャリアプランを立てる時は仕事のことだけではなく、結婚や出産、子育てなどのライフイベントの希望も組み込むことが大切。

特に女性の場合は、ライフイベントによって働き方に影響が出ることが多いため、キャリアとライフは切り離して考えられません。別々に考えてしまうと、どちらか一方を諦めることになりかねないのです。

キャリアかライフの二者択一ではなく、成し遂げたい仕事と大切にしたい生活、どちらもかなえることこそ、理想のキャリアの実現と言えるでしょう。


パートナーに共有/相談しよう
キャリアプランは、パートナーと相談しながら作成したり、共有しましょう。あなたのキャリアプランは、パートナーの理解や協力があることで、ぐっと実現しやすくなるはずです。

例えば、育休明け直後からフルタイム正社員として復帰したいのであれば、保育園への送り迎えや夕食の準備などの家事・育児の分担を決めておく必要があります。また、選択するキャリアによっては、収入や働き方が変化し、生活にも影響が及びますよね。

あなたがどういうキャリアを歩みたいのかを日頃から共有しておかないと、パートナーから協力を得られないどころか、信頼関係にヒビが入ってしまうなんてことも……。そのためにも、パートナーにキャリアプランを共有し、応援してもらえる環境作りこそが実現への近道なのです。


職場の上司や同僚にキャリアの希望を伝えよう
言ったことが本当になる“言霊”という言葉があるように、「いずれこんなポジションをやってみたい」「こんな経験を積んでおきたい」と上司に伝えることで、キャリアにプラスになるような機会を与えてもらえるかもしれません。

例えば、あなたが希望する部署やポジションに空きが出たり、目標に近づけるような研修やセミナーに参加させてもらえたり、ロールモデルになるような知り合いを紹介してもらったり。仕事に対する前向きさ・向上心が伝わることもプラスになるはずです。

大切なのは、1回だけ伝えるのではなく、ことあるごとに伝え続けることです。そうすることで上司や同僚の中で何度もリマインドされ、何かあったらあなたのことを真っ先に思い出すようになります。

職場の上司や同僚にもキャリアの希望を伝えることで、味方になってもらえると心強いですね。


周りの同年代の女性を参考にはしても比べないこと
同僚や友人などの周りにいる同年代の女性とつい比較してしまうことはありませんか。その女性が自分の理想とするキャリアを歩んでいるなら、なおさら気になりますよね。

理想的なキャリアを歩んでいる人や輝いている人を参考にするのは良いことです。しかし、比較して落ち込んだり、焦ったりする必要はありません。

人それぞれ強みがあり、活躍できるフィールドがあります。ライフステージが違えば、働き方もキャリアプランの立て方も違うのです。

他人のキャリアは参考までに。他人との比較ではなく、自分のものさしでキャリアを考え、強みも経験も積み上げていきたいですね。

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この記事を書いた人

株式会社メルカリに新卒入社。プロダクトマネージャーとしてプロダクト改善に従事した後、D2Cスタートアップにて新規事業の立ち上げ、グロースを担当。その後eスポーツ領域のスタートアップを経て、2022年12月にプロダクトマネージャーとして株式会社fruorに参画。

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