教員から転職したい人が気をつけるべきこととは?成功のポイントも解説

教員から転職したい人が気をつけるべきこととは?成功のポイントも解説

「教員の仕事がつらい」
「転職も検討しているけれど、教員からの転職は難しい?」

そんなふうにお悩みの方も多いのではないでしょうか?この記事では、教員から転職するメリットや、転職活動をする際に気をつけるべきことをまとめています。転職を成功させるためのポイントを知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

目次

教員が転職を検討する理由

そもそもなぜ教員は転職を検討するのでしょうか?人によって理由はさまざまあるかと思いますが、ここでは特に考えられる3点にしぼってお伝えします。

業務量が多い

教員の仕事は朝から夜まで、定時を過ぎても残業が当たり前で働いている方も多い業界です。勤務時間中に業務を終えることが難しい場合、残業や家に仕事を持ち帰ることもあります。

また、勤務時間には、授業や生活指導に限らない幅広い業務を担当します。保護者の対応、事務作業、学校行事の準備、部活動の指導、地域のイベントのお手伝いなど、土日にも出勤して仕事をこなすことも少なくありません。こういった業務量の多さに負担を感じ、転職を検討するパターンは多いです。

生徒・保護者との関係がうまく作れない

生徒や保護者との人間関係に悩み、転職を検討し始めるパターンです。さまざまな生徒・保護者と関わることもあり、適切なコミュニケーションが難しかったり、関係性が悪化したりする場合があります。最近では「モンスターペアレント」と呼ばれるクレーマー気質の保護者も問題視されており、保護者対応に頭を悩ませて疲弊してしまう方も多いでしょう。

自分の時間を大切にしたい

平日は夜遅くまで授業の準備や事務作業、休日も部活動や研修で忙しい教員。プライベートを確保することが難しい人もたくさんいます。自分の時間を大切にしたい、家族との時間を優先したい、と考えて、転職を検討し始めるパターンも考えられます。

教員は転職が難しい?

ではなぜ「教員には一般企業への転職は難しい」と言われるのでしょうか?ここではよくあげられる理由を2点ご紹介します。

ビジネスの経験が少ない

一般企業とは違い、学校現場では原則「利益を出すこと」を求められません。そのため、ビジネスの知見がない、利益を考えた働き方が合わないことが、転職が難しいと考える原因になると想定されます。

ただし私立学校の教員の場合、生徒獲得のために営業活動もする方もいらっしゃいます。しかし採用側から見ると、一般的な教員のイメージから「ビジネスの知見がない・少ない」と捉えられる可能性があるので注意が必要です。

転職活動の時間が作りにくい

日々の長時間労働・土日の勤務などに加えて転職活動までする時間の余裕、心身の余裕がないという方も多いのではないでしょうか?

転職活動を進めるには、選考の時間確保だけでなく、業界研究や書類の準備も必要になります。時間の作りにくさが、教員にとって転職に踏み出す際のハードルになる場合もあると言えます。

教員の転職で気をつけること

教員が転職活動を進める際に気をつけるべきことにはどのようなことがあるのでしょうか。3つのポイントについて解説していきます。

教員の仕事を下げる発言をしない

転職する理由を聞かれた際に、教員を下げる発言はしないよう心がけましょう。転職を検討し始めた理由が「長時間労働」「人間関係のストレス」などマイナスのものだったとしても、それをそのまま伝えると採用側はいい印象を受けません。

転職後の企業でも、マイナスの感情を持って退職してしまうかも…という不安を抱かせてしまいます。転職を通して「スキルアップしたい」「教員時代のスキルを企業でも活かしたい」など、自分や企業にとってプラスになるような言い方をしたいですね。

年収が下がる可能性があると知っておく

教員が一般企業に転職する場合、年収が大きく下がる覚悟をしておきましょう。

小・中学校教員の平均給与は年間で739.7万円、高校教員は677.5万円(厚生労働省・職業情報提供サイト)。一方で、一般企業における平均給与は458万円(国税庁・令和4年分民間給与実態統計調査)と言われています。一般的には教員の給与は高い水準にある、と考えることができるでしょう。

教員が一般企業に転職する際には、多くの場合「未経験」扱いになります。新入社員と同じくらいの年収からスタートすることも想定し、転職活動を進めましょう。

参照
“job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)”.厚生労働省.
https://shigoto.mhlw.go.jp/User,(参照 2024-02-29)
“令和4年分 民間給与実態統計調査”.国税庁.
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2022.htm,(参照 2024-02-29)

教員経験を活かせる職種を選ぶ

転職活動をスムーズに進めたいのであれば、教育に携わる民間企業や教育施設の講師など、教育に関するスキルや経験を活かせる転職先を選ぶとよいでしょう。教員経験者は高い専門性がある、即戦力であるとみなされ、採用されやすくなったり、未経験扱いにならなかったりする可能性もあります。

教員からの転職を成功させるポイント

「難しい」と思われがちな教員からの転職。成功させるポイントを4つご紹介します。

転職したい理由を明確にする

転職活動を本格的にスタートする前に、転職したい理由を明確にしましょう。「今の労働環境から抜け出したい」といったネガティブな理由だけではなく、ポジティブな理由をあげておくことが大切です。

理想のライフスタイルやキャリアプランは、本当に教員を辞めないと達成できないのか、本当に転職の必要はあるのかも含めて検討しておきましょう。

経験やスキルを活かせる職を探す

教員で培ったスキルを言語化し、それをもとに職業を探してみましょう。学習指導だけでなく、生活指導や部活指導、校務分掌など、オールマイティにさまざまな業務をこなす教員。身についた経験やスキルを、具体的に書き出してみましょう。

▼例
・授業を通して、プレゼンテーションスキルが身についた
・保護者対応の経験から、コミュニケーションスキルが向上した
・学年の会計を担当したことで、経理の知識が身についた
・時間割担当として、各学年の時間割を決めるエクセルシートを作成・管理を行った
・野球部の顧問として、7年間生徒への指導をした

転職エージェントに登録する

一般企業への転職は、教員採用試験のフローとは異なります。業界研究、転職先のリサーチ、面接準備の時間も必要になるでしょう。時間の制約のある中で転職活動を有利に進めるには、プロの手を借りるのがオススメです。転職エージェントなら、転職先の選定から退職まで、手厚くサポートしてくれます。就活未経験の人ほど、転職エージェントを利用するとよいでしょう。

ただし、転職エージェントはあくまでも転職前提のサービスです。まだ転職するか決めきれていない方や、志望の業界を絞りきれていない方、転職理由を固められていない方には向いていません。

キャリアカウンセリングを受けてみる

「本当に教員から転職していいのかな?」「自分のスキルや強みがわからない」「どんな業界が向いているのか想像もつかない…」といったキャリアのモヤモヤを抱えている人は、まずはキャリアカウンセリングを受けてみましょう。

キャリアカウンセリングでは、キャリアカウンセラーがあなたの心に寄り添います。キャリアカウンセラーは、国家資格をもつキャリアのプロ。本格的に転職活動をスタートする前に、自分の希望のライフスタイルやキャリアプランを見つめ直してみませんか?

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この記事を書いた人

2児ママ× 元国語教員×ライター。私立中高一貫校講師→公立中正規教員→私立高校講師×ライターを経て、2023年フリーランスに転職。持続可能に「好き」を楽しむ生き方を目指して活動している。5歳・3歳兄弟を育児中。趣味は手帳を書くこと、専門は古典文学。

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