迷ったとき、何度でも立ち戻れる“心のお守り”でありたい。代表・川村が描くミートキャリアの未来

2025年7月に、「ミートキャリア」を運営する株式会社fruorの代表に就任した川村邦光さん。
VC(ベンチャーキャピタル)の投資責任者としてミートキャリアと出会った川村さんは、「転職を前提にしない」「自分らしい生き方や働き方を実現する」というサービスの考え方に共感を覚えたと言います。その背景には、自身がキャリアの中で感じてきた違和感や、周囲の同僚たちがキャリアに悩む姿を目の当たりにしてきた経験がありました。
ミートキャリアについて「迷いを感じたとき、立ち戻れる“お守り”のような存在でありたい」と語る川村さん。これまでのキャリアを通して抱いてきた課題や、実際にユーザーとしてサービスを受講して感じたこと、そして代表として描く今後の展望など、お話を伺いました。

これまでのキャリアで目にしてきた、“続けたくても続けられない”現実
――まずは、簡単に自己紹介をお願いします。
新卒で日本政策金融公庫に就職し、中小企業やベンチャー・スタートアップ向けの融資を12年間ほど担当。その後、農林中央金庫で農業領域の融資や支援を5年ほど経験したのち、独立系VC(ベンチャーキャピタル)の栖峰投資ワークス株式会社で、ベンチャーやスタートアップへの出資・サポートに携わりました。
直近では、人手不足に悩む農家や観光業などの事業者と旅行者(おてつびと)をマッチングするWebプラットフォーム「おてつたび」を運営する企業で、執行役員COOを経験。一度栖峰投資ワークスへ戻った後、2025年7月にミートキャリアを運営する株式会社fruorの代表に就任しました。
――ミートキャリアとはどのように出会ったのですか?
初めて接点を持ったのは、栖峰投資ワークスで働いていたときです。ミートキャリアの存在は以前から知っていて、「良いサービスだな」という印象を持っていました。そこで、VCとして投資先を探す際に、知人を介してfruor前代表の喜多村さんを紹介してほしいとお願いをしたんです。そうして初めて喜多村さんとお話をしたのが、2021年12月です。
実際にお話を聞いて印象に残ったのは「ミートキャリアが転職を前提にしていないサービス」だという点でした。まずはキャリアの方向性や、言葉になっていない迷いや違和感を一緒に整理するところから伴走している。
それを聞いて、「これはまさに、過去の自分や、これまで一緒に働いてきた同僚・先輩たちが直面していた課題に向き合っているサービスなのではないか」と感じたんです。
――そう感じた背景には、どのようなご経験があったのでしょうか。
金融機関で働いていたとき、総合職の女性の先輩方と一緒に仕事をする機会が多くて。話をしていると、「結婚して子どもを産んだとき、この仕事を続けていけるのか不安」という声を聞くことがよくあったんです。「仕事を続けたいけれど、今の働き方でやっていけるのかな」と。
自分よりも経験豊富で、能力が高くて仕事ができるにも関わらず、結婚や出産などによって仕事を続けられなくなっていく。何とかできないのか、もっと違う選択肢はないのだろうか……とモヤモヤした思いを抱えていました。
そうした経験があったので、喜多村さんと話をさせてもらった際に、「当時もこうした悩みや不安を一緒に立ち止まって整理してくれる場所があれば違ったのかもしれない」と感じたんです。
一人のユーザーとして、ミートキャリアを受講して見えてきたこと
――2024年1月にVCとしてミートキャリア(fruor)へ出資されることになりました。その後、川村さんはユーザーとしてミートキャリアのプログラムを受講されたそうですね。
はい。2024年の6月から8月に受講しました。受けようと思った理由は、シンプルに良いサービスだなと感じていたことと、VCとしてより深くミートキャリアと関わるために、自分も中に入って理解したいと思ったからです。
私が受講したのはオーダーメイドプログラムだったので、20のテーマから、自分に必要と思われるテーマを選んで取り組みました。具体的には「自分らしさの定義」「スキルの棚卸し」「能力発見」「適組織の特定」「キャリアプランニング」「長所を仕事で活かす」の6つのテーマを受講しています。
――実際に受講してみて、率直にいかがでしたか?
自分ではわからなかった、「周りから見た自分」を知ることができました。私はもともとMBTIのような自己分析をした経験もあり、自分の強みや特性はある程度理解しているつもりだったんです。
ただ、その強みや特性をどのように仕事に活かすのか、チームで仕事をする上で、どのような役割に落とし込むのかベストかといったところまでは、十分ではありませんでした。ミートキャリアの受講を通して、自分の強みや特性を明確に言語化でき、その活かし方がわかったのはよかったですね。
――たしかに、ツールを使って自己分析をしてみたものの、それをどのように活用したら良いかわからないという声はよく聞きます。
そうなんですよね。私も以前、会社のメンバーに「自分はこういうタイプです」と自己分析の結果を共有したことがあるんです。ただ、そこから具体的にどう行動を変えればいいのか、次の一手までは見えていなかった感覚があります。
だからこそ大事なのは、「強みを知ること」そのものではなく、それを「どこで、どう活かすかまでわかること」だと思っています。自分は何が得意で、どこに無理が出やすいのか。
それを言葉にして整理した上で、「仕事の中で、どのような役割を担うのが良いのか」「どのような環境なら力を発揮しやすいのか」まで落とし込めて、初めて意味が出てくると思うんです。
ミートキャリアは、そこまでを一気通貫で伴走でき、自分らしい生き方・働き方に出会うサポートができる点に価値があるのではないかと考えています。
“自分らしさ”は、どう意思決定するかに表れる
――川村さんご自身は、「自分らしい生き方・働き方」をどのように捉えていますか?
自分で意思決定できている状態、でしょうか。後悔しないような、自分が満足できるような選択ができているときに、自分らしさが表れるのではないかと考えています。
たとえば私の場合だと、今は「自分がどうなりたいか」という視点でキャリアを考えることは、あまり多くありません。それよりも、会社やサービス、それを使ってくださっているユーザーさんにとって何が一番いいのか。そのために、今の自分はどのような役割を担うのが自然なのか、という視点で意思決定をしてきました。
サービスを通じて社会にどう貢献できるか、少しでも社会が良くなる方向に向かって動けているか。そうした問いを自分なりに持ちながら意思決定できている状態が、今の私にとっての「自分らしさ」なのではないかと感じています。
――今お話いただいた「川村さんらしさ」は、これまでのキャリアにも通じる部分があるように思います。
そうですね。振り返ってみると、こうした価値観はこれまでのキャリアにも自然と表れている気がします。たとえばVCとして出資をしてきた先を見ても、教育や農業、キャリアといった分野に自然と関わってきました。それぞれアプローチは違いますが、「人がどう学び、どう働き、どう生きていくか」という点では共通していると思っています。
出資の判断はとても属人的で、自分の価値観がどうしても反映されます。その中でサービスを通して人や社会が少しずつでも良くなっていくことを大切にしてきたという点は、一貫しているのかもしれません。
迷ったときに立ち戻れる“心のお守り”でありたい
――キャリアに悩む人にとって、ミートキャリアはどんな存在でありたいと考えていますか?
お一人おひとりが「自分らしい生き方・働き方」を取り戻すための“心のお守り”のような存在でありたいと思っています。
特に30~40代になると、ライフステージの変化も重なって、「このままでいいのかわからない」「今の働き方は自分に合っているのだろうか」と、漠然とした不安や迷いを抱える方が少なくありません。
ミートキャリアが大切にしているのは、そうした悩みに一時的に答えを出すことではなく、その人自身の「キャリアの軸」をつくっていくプロセスに伴走することです。
不安や違和感を言葉にして整理し、自分は何を大切にしたいのか、どんな環境で力を発揮できるのかを見つめ直していく。その積み重ねが、納得感のある意思決定につながっていくと考えています。
転職がゴールのサービスではないからこそ、迷ったときに何度でも立ち戻れる。自分の軸を思い出し、次の一歩を考えるための“お守り”として、そっと背中を押せる存在でありたいですね。
――最後に、ミートキャリアとしての今後の展望を教えてください。
まずは目の前のお一人おひとりに、きちんと価値を届け続けていきたいです。そうして自分らしい生き方を叶えた方が増えていけば、結果として社会全体も豊かになっていくのではないかと思っています。
現在は、既存のキャリアプログラムに加えて、さまざまな取り組みを進めています。直近では「育休メンター」をリリースしましたが、これも出産や育児といったライフステージの大きな変化の中で、誰かと一緒に整理できる場が必要だと感じたからです。
今度もミートキャリアを軸に、キャリアの節目や迷いが生じたときにいつでも立ち戻れる「キャリアのインフラ」を目指して、歩み続けていきたいですね。

