職務経歴書が書けない!実績・スキルがない方向け作成のコツ【例文付】
「職務経歴書が書けないので困っている」
「職務経歴書に書けるような実績・スキルがない」
「そもそも職務経歴書を書いたことがなく、書き方がわからない」
転職活動や再就職活動をするときに、応募書類として必要になる職務経歴書。初めての転職活動で今まで職務経歴書を書いたことがない人や、再就職のために久しぶりに就職活動をする人にとっては、どのように書けばよいのかわからず、悩む人も少なくないでしょう。
こちらの記事では、職務経歴書が書けないとお悩みの方に、5000件以上のキャリア支援をしてきたミートキャリアが、職務経歴書の書き方を例文付で解説していきます。書き方だけでなく、書類選考通過率が上がるコツやポイントを知りたい、という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
職務経歴書とは
職務経歴書とは、現在までの仕事での経験や実績、得てきたスキルなどの履歴を記載した書類のことです。これから選考を受ける企業や、転職エージェントに対して提出し、自分が求める人物像にマッチした人材であることを職務経歴書でアピールします。いわば、自分という人材を売り込むプレゼン資料が、職務経歴書です。面接の場でも、職歴の確認等で採用担当者に利用されます。
履歴書との違い
職務経歴書と履歴書の違いは、仕事の経験や実績、スキルの具体性にあります。履歴書は、職歴の他に、住所や生年月日、学歴、資格、自己PRなど、基本的なプロフィールを網羅的に記載するもの。基本的に応募先企業が変わっても、内容は変わることはありません。
一方、職務経歴書は、求人票に記載されている業務内容に応えられる人材であることを、証明する書類です。そのため応募する企業や職種によっては、内容を変える必要があります。
職務経歴書で企業が最も知りたいことは、募集しているポジションの業務をしっかりこなせるか、また期待以上の実績や成果をだしてくれるかです。そのため、いままでの職歴で経験してきた業務内容や、得たスキル、上げてきた実績などを、数字などを使って具体的に記載する必要があるのです。
また転職エージェントが独自フォーマットで用意している、履歴書と職務経歴書が一体となった「キャリアシート」と呼ばれる応募書類があったり、履歴書と職務経歴書をまとめて「レジュメ」と呼んだりすることもあります。
職務経歴書の構成
職務経歴書の書き方には、こう書かなければいけない、という決まったルールやフォーマットはありません。ただ応募先企業に対して、自分という人材を魅力的に感じてもらうため、また採用担当者が、選考過程や面接の場で、わかりやすいように書く必要があります。効果的な職務経歴書を書くために必要な内容や構成は、以下のとおりです。
構成や書き方の詳細は、ハローワークからもパンフレットがダウンロードできるので、参考にしてみてください。
参考:ハローワークインターネットサービス│「職務経歴書の作り方」
項目 | 必須or任意 | 内容 |
職歴要約 | 必須 | いままでの経歴を200~300文字程度で要約したもの |
職歴の補足 | 任意 | 応募先企業に持たれそうな懸念点を払拭するためのもの |
志望理由 | 任意 | その企業・職種でなければならない理由 |
職務経歴 | 必須 | 勤務してきた企業の概要、勤続年数、業務内容、実績 |
活かせる経験・スキル・資格 | 必須 | 応募するポジションで活かせる経験・スキル・資格など |
自己PR | 必須 | 自分が応募先企業やポジションで活躍できる証拠 |
職務経歴書が書けない2つの理由
職務経歴書が書けない理由には、主に2つあります。
①自分の職歴(事実)の整理ができていない
②自分の強み(アピールポイント)がわからない
職務経歴書を作成するステップは、「事実の整理⇒アピールポイントを見つける」です。これらを明確にすることは、職務経歴書の作成だけでなく、面接でも活きてきます。
それぞれ詳しく解説します。
1.自分の職歴(事実)の整理ができていない
職務経歴書が書けないのは、自分の職歴の整理ができていないことが原因の可能性があります。その場合、まずは自身の職歴を棚卸しし、整理することが第1ステップとなります。
自分の職歴の整理とは、いつ(勤務期間)、どこで(企業)、どのような仕事(業務内容)をしていたか、という事実を見える化して、整理すること。またその仕事をする中で、どのような経験をし、どのようなスキル・技術・資格を獲得したかも、職歴の整理に含まれます。
職務経歴書が書けない人は、手書きでも良いので、まずは自分が辿ってきた仕事の歩みを書き出して、見える化し、整理することから始めると良いでしょう。
2.自分の強み(アピールポイント)がわからない
職務経歴書が書けない理由の1つに、自分の強み(アピールポイント)が明確になっていないケースがあります。職務経歴書は自分という商品を、応募先企業に売り込むプレゼン資料です。
プレゼン資料を作成するには、商品(自分)にどのような売りがあるかを、認識している必要があります。前のステップで整理した職歴(スキル・実績等)から、自分の強みを抽出してみましょう。また強みを書く際には、応募する企業や業種、職種に合わせて、アピールできる部分のボリュームを増やしたり、より詳細に記載したりすることもポイントです。
実績がない人向けの職務経歴書の書き方・例文
実績がなくて、職務経歴書が書けない人向けの書き方と、例文をご紹介します。
努力したことや、大変だったことを書く
キャリアの中で、成果につながった実績が見つからない場合は、努力したことや、大変だったこと、主体的に動いたことを思い出してみると良いでしょう。そのうえで、自分なりに工夫したこと、周囲や上司から褒められたことなどを記載するとよいでしょう。
さらに、その時の失敗経験を振り返り、もう一度チャレンジするなら成果を出すためにどうするか、という教訓を書くのも有効と考えられます。
【例文】産育休社員、復帰社員の不安を払拭する面談及び復帰時プログラムの作成
【取り組みと成果・工夫した点】
・産育休社員、復帰社員の不安を払拭する面談及び復帰時プログラムの作成
産育休に入る社員については、事務的な部分での不安をなくし自身の体調管理に集中できるように、既存の資料に加えて本人のTODOと期限を明確に記載した案内資料の作成をいたしました。
また、復帰時にも現場社員と人事と本人の3者面談を組み、復帰者の不安を少しでも軽減できるよう、現場上長にもケアを依頼できるような面談を行ってきました。
同時に、復帰者が戸惑わないように社内で起こった変化や直近で全社へ掲載された大きなお知らせ等をまとめ、復帰者に「ここを見ておけば安心」と思ってもらえるような、産育休社員に寄り添える復帰プログラムを企画・作成しました。
その結果、多くの復帰者から「安心して復帰することができました。ありがとうございます。」とお声をいただくことが出来ました。
活かせるスキルがない人向けの職務経歴書の書き方・例文
活かせるスキルがなくて、職務経歴書が書けない人向けの書き方と、例文をご紹介します。
人に教えられる業務は何か、という視点でキャリアの棚卸しをする
専門性や、活かせるスキルがなくて職務経歴書が書けない人は、まず現在までの自分の経歴(キャリア)の棚卸しをしましょう。手書きでもいいので、いままでの職歴や経験を書き出してみてください。アルバイトでの経験や、自分では「こんなことは誰にでもできるだろう」と思っているようなものでも構いません。
また、経歴を書き出す際は、「自分が他人に教えられそうな業務は何か」という視点で考えてみるのも有効です。他人に教えられそうと感じることは、他人より少し詳しい分野であり、専門知識や技術、スキルに繋がっている可能性があります。その中で、応募する職種に関連がある、または類似している点を見出し、記載するとよいでしょう。
【例文】営業事務でのミスを防止するフォーマットや仕組みの作成
【取り組みと成果・工夫した点】
・営業事務として従事している中で、営業から提出される書類のチェックや契約書の作成を担当
営業から提出される書類にミスや不備、また分かりづらい点が多くあり、書類の作成が遅延したり、非効率な手戻り業務が生まれたりという課題がありました。
このような課題に対して、Excelを利用して簡単なチェックシートや、選択肢をドロップダウンリストにしたり、手入力ではなく自動で値が算出されるようなフォーマットを作成しました。
この取り組みにより、営業および営業事務の業務効率化や、契約書の遅延で顧客に迷惑をかけることが減り、営業から「ありがとう」といった声をいただくことができました。
応募職種の経験がない、浅い人向けの職務経歴書の書き方・例文
応募する職種の実務経験がない、または浅いことによって、職務経歴書が書けない人向けの書き方と、例文をご紹介します。応募職種の経験がない場合、職務経歴書を書くときにポイントとなるのは次の3点です。
①類似している経験を書く
②未経験から成長した経験を書く
③熱意をアピールする
類似している経験を書く
応募ポジションと、過去の経歴の類似している点をみつけて、職務経歴書に書くとよいでしょう。例えば、人事の採用担当に応募する場合、対人業務や数字目標達成の経験、企画力、計画力、リサーチ・分析力などを発揮した経験を見つけて、アピールすると効果的です。
未経験から成長した経験を書く
未経験職種への転職や異動など、新しい環境で一から業務を覚え、実績をあげたことがある経歴を書くと良いでしょう。その際は、どのような努力をし、どのくらいの期間で業務ができるようになったか、どのくらいの実績をだせたか等を具体的に書くことが重要です。良い実績を出すまで、新しい知識や業務習得するまでのスピードや、姿勢がわかれば、未経験職種への応募の際、採用担当者の目に留まる可能性はあるでしょう。
熱意をアピールする
なぜその企業が良いのか、なぜその職種がよいのか、を具体的に書きましょう。そのためには、応募先企業のビジネスモデルや、商品・サービス、理念や業界内でのポジション、競合他社と比較した強みなどのリサーチが必要です。事前にしっかりリサーチしていることは、採用担当者から熱意がある、と判断され、アピールになる可能性があります。
【例文】営業職の経験者が、未経験の人事職(採用担当)に応募する場合
【取り組みと成果・工夫した点】
・求人広告の営業職として新規顧客開拓で月間MVPを獲得
求人広告の営業職として、新規顧客開拓の営業職に3年従事しておりました。1日に平均50件ほどのメールを送る中で、常にメール文面に工夫を凝らし、PDCAを回すことによって、よりアポイントにつながりやすくなるよう改善を続けてまいりました。メールマーケティングに関する書籍を読んだり、社内外の人にフィードバックをいただいたりすることで、徐々にブラッシュアップされていき、3年目には15件のアポイントと、8件の成約を獲得し、全営業30名の中で、月間MVPを獲得することができました。
この経験は、採用業務におけるダイレクトソーシングでの候補者へのアプローチや、候補者との面談時にニーズをヒアリングし自社の魅力を伝えることなどに、活かせると考えております。
職種別書類選考通過率があがる職務経歴書の書き方
ここでは、職種別に、書類選考通過率があがる職務経歴書の書き方のポイントを、解説します。
事務職
・1日のメール対応数、書類作成数、問い合わせ数などを具体的に記載し、スピード感と業務をこなせる量、正確性をアピールする
・業務改善や業務効率化、ミス防止策など、ルーティン業務の中でも、自主的に工夫して、改善した経験があれば書く
・PC操作スキルとして、業務で使用していたソフト(Word、Excel、PowerPoint等)や機能、ツールを具体的に記載する
・社内のメンバーに対する情報伝達や育成、顧客対応でのスムーズな調整やコミュニケーションができた事例もアピールする
・業務全体の計画をたてて、遅延なく、納期通りに業務ができたことなどもアピール材料です
営業職
・ 顧客の属性を明記する (法人or個人、新規or既存、業種、営業エリアなど)
・扱っていた商材の特性を明記する(有形or無形、高額or低額、サブスク型or買い切り型など)
・営業スタイルを明記する (訪問ルート営業、飛び込み営業、テレアポ、反響営業など)
・実績を明記する (年間や月間の売上や目標達成率・前年度対比、商談・成約件数、全営業人数における順位、社内表彰歴など)
・売上を達成するために自主的にした改善活動や取り組み、努力したこと
販売職
・扱っていた商材や客層、客単価を記載する
・売り上げ目標の達成率(個人/店舗)や順位、達成のために自主的に実施した取り組みや努力したことを書く
・接客するうえで意識していることや、お客様アンケート等での満足度(平均と自分の数値の比較、社内順位など)があればアピールする
・店舗全体を巻き込んで実施した取り組みや、新しくチャレンジしたことを書く
・接客販売の他に任されていた業務(新人教育、シフト作成、受発注業務、金銭管理業務など)があれば、アピール材料になります
職務経歴書が書けない場合の相談先
いままでご紹介してきた方法や例文を利用しても、自分一人では職務経歴書が書けないという人も少なくないでしょう。そのような場合、周囲の人に相談して、職務経歴書の作成を支援してもらうのも有効です。
ここでは、職務経歴書が書けない場合の相談先をご紹介します。
転職エージェントを活用する
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、何人もの転職を支援してきた、いわば転職のプロ。職務経歴書の書き方にも精通している人が多いので、相談してみるとよいでしょう。
転職エージェントに相談するメリットは、無料で相談できること。転職エージェントのビジネスは、紹介先企業からの成功報酬(紹介手数料)で成り立っています。そのため転職希望者は、無料で相談ができます。「すでに転職することを決めている人」や「自分の強み、活かせる経験やスキルがわかっている人」「自分のやりたいことや、キャリアビジョンが明確な人」などに向いています。
一方、デメリットは、必ずしもキャリアや転職に関する悩みが、解決できるものではないことがあります。ビジネスの構造上、直近で転職をすることを決めていない人や、利用する転職エージェントが持っている求人にマッチしない人などに対しての支援は、薄くなりがちです。また「自分の強みが明確になっていない人」や「やりたいことが分からずモヤモヤしている人」「キャリアビジョンや、キャリアプランが持てていない人」には、不向きな相談先といえるでしょう。
自己分析サービスを活用する
前述した「転職することを意思決定していない」「キャリアについての悩みやモヤモヤ」を抱えている人に最適な相談先として、自己分析サービスがあります。しっかりと自己分析をしたうえで、自分が納得のできるキャリアを決めることができるからです。
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