小さな「やりたい」を積み重ねる。やりたいことがない私のキャリア戦略【キャリアトレーナー 潤間】

小さな「やりたい」を積み重ねる。やりたいことがない私のキャリア戦略

来年1月に30歳を迎える、キャリアトレーナーの潤間(うるま)さん。大学で教育学を専攻し、卒業後は化粧品メーカーの法人営業を経て現在の人材紹介企業へ入社しました。

「やりたいことは特になかった」と語る潤間さんに、やりたいことが見つからない人のキャリア戦略や、30代のキャリアの方向性などを伺いました。

今ならキャリアトレーナーに無料でキャリア相談ができます!記事の最後にも詳細を載せていますので、ぜひご覧ください。

目次

自己紹介

――まずは簡単に自己紹介をお願いします。

妻と2人、千葉県で暮らしています。大学では教育学を専攻し、卒業後は化粧品メーカーの法人営業としてキャリアをスタートしました。

3年ほど働いた後、主に障害のある方の転職支援を行う人材紹介企業に転職。キャリアアドバイザー(以下、CA)を3年間担当し、現在はリクルーティングアドバイザー(以下、RA)として法人のお客様の対応や、チームメンバーのマネジメントを行っています。

ミートキャリアではキャリアトレーナーとして、ユーザーさんの自己分析から転職支援まで伴走中です。

新卒の就職活動

――大学は教育学の専攻だったと伺いました。元々は教師の道も選択肢として考えていたのですか?

教育学を専攻したのは、自分自身が何かをするよりも、誰かがやりたいことをサポートするほうが好きだと自覚していたからです。将来は私が何か教えたりアドバイスしたりすることで誰かの成長を支援できるような仕事ができたらと思い、そうした仕事に役立てられそうな教育学を学ぼうと考えました。

教師になるかならないか、大学に入学した段階ではまだ決めかねている状況でした。でも教育実習を経て、私は教師には向いていないと実感したんです。

学校という場では、どうしても規律が重んじられますし、ルールに沿ってみんな同じ行動をするよう求められます。でも私は決められたとおりの日々を過ごすよりも、自由でありたいという思いが強くて。

例えば、決められた時間割ではなくて、数学がしたければ数学、英語の気分だったら英語というように、自分の気持ちが乗っているときに自分のやりたいことをやりたいタイプなんです。そんな私が教師として働くイメージが持てず、違う道に進もうと決めました。

――教師以外の道は、すぐにみつかりましたか?

それが、すぐにはみつからなくて。ただ、インターンや学生団体での活動を通して、学生の段階でやりたいことを決める必要はないのではないかと感じるようになりました。

インターンでは、飲食店情報サイトの代理店の営業として働いていました。1日100件のテレアポを行い、そのうちアポが取れた1~2件の飲食店に商談へいくような仕事です。泥くさい仕事ではありましたが、楽しく取り組めていました。

それは仕事自体が楽しいというよりも、仕事を通して自分がブラッシュアップされていく感覚が楽しかったんですよね。こうした経験を通して、「やりたい仕事を探すのではなく、まずは自分のスキルや能力を磨いてやれることを増やし、人に貢献できる自分になろう」といった視点でキャリアを考えるようになりました。

仕事は相手がいてこそなので、やりたいことを叶えるためにも、周りから求められる自分であることは大切だと思っています。

――新卒で化粧品メーカーの法人営業を選んだのは、どのような経緯だったのでしょうか。

インターン先の社長が、就職先の企業を勧めてくれたのがきっかけです。法人営業を選んだのは、営業に苦手意識があったから。私は社交的な性格ではないですし、話や提案も得意ではありません。

そうした自分を変えたいと思い、あえて苦手な環境に身を置いてみようと考えました。ある意味、実験ですよね。

おそらく年齢を重ねていけば自分の得手不得手がはっきりしてくるだろうけれど、20代で感じている「苦手」は本当に正しいのだろうか。それを実際に働いて確かめたかったんです。

――実験的なキャリア、いいですね。就職先はほかにも検討したのですか?

当時からキャリア支援に興味があったため、人材系の会社を1~2社受けました。しかし社会人経験が浅いままCAになるのは、あまりしっくりこなかったんです。

もちろん、新卒でCAとして活躍している人はたくさんいます。でも私は、誰かのキャリアにアドバイスをしたり提案したりするのであれば、もっと社会人経験を積んでおきたいと考えました。そのほうが、自信を持って目の前の人と対峙できると思ったんです。

社会人経験を積んだ後に再びCAの道を検討するとしたら、新卒でどのような経験をしておくとよいか。そう考え、まずはビジネスの仕組みを知り、お客様の声を聴き、売り上げを作る経験を得たいと思い就職先を決めました。

はじめての転職

――化粧品メーカーで3年勤めた後、人材業界へ転職しました。このタイミングで転職を決めたのはなぜですか?

3年勤めていると、社内MVPに選ばれたり後輩育成に携わるようになったりと、ある程度成果が出せるようになっていました。そうすると次は管理職を目指すのか、スペシャリストを目指すのかといったフェーズになるのですが、どちらもイメージがつかなかったんですよね。そこで転職を決意しました。

――次の転職先には人材業界を選ぶことは、以前から決めていたのでしょうか。

そうですね。ただ人材業界といっても幅広いので、自分なりに2つの軸を持って転職活動を進めていました。

1つは、CAとして目の前のお客様1人ひとりに向き合う時間を十分に取れる環境があること。もう1つは、業界や年齢に特化したエージェントではなく、幅広い業界や職種、お客様をサポートできる環境があることです。

この2つを転職の軸に置いたのは、仕事を通じて幅広い対応力を身に付けたいと考えていたからです。それまでの経験から、私は任された仕事は自分なりに楽しめる力があると感じていました。ですので、仕事内容へのこだわりよりも、その仕事を通じて何が得られるのか、自分がどう変化するのかを重視して転職先を選びました。

――CAとして働いて感じたことを教えてください。

転職エージェントだから仕方ない部分ではあるのですが、相談を受けた際の着地点が「転職」に偏ってしまうんです。かと言って、転職以外で何かアドバイスができるかというと、それも難しい。社内にノウハウがないんです。そこが少しもやもやを抱えていた部分かもしれません。

――ミートキャリアのキャリアトレーナーになって、何か変化はありましたか?

ミートキャリアはエージェントではないので、ユーザーさんに対してより客観的な立場で向きあえるのがありがたいですね。でも私は本業とミートキャリアを完全に切り離しているわけではなくて、それぞれ相乗効果で上手くまわっていると感じています。

具体的に言うと、本業で相談に来られた方に対して今はまだ転職するタイミングではないと感じたら、「もう少し現職で頑張りましょう」とか「転職の時期を半年後にしましょう」などとお伝えするようになりました。

すると、同じ相談者さんが半年後や1年後に戻ってきてくれるんです。「今このタイミングで転職したいので、潤間さんお願いします」と。自分自身に求心力がついたというか、相談者さんとも良い信頼関係が築けている感覚がありますね。

――現在はRAを担当されていますよね。CAからRAになり、率直な感想を教えてください。

対人支援が得意という自分の特性もあり、CAのほうが価値を発揮できていた感覚はあります。

ただRAが個人の支援につながらないかというと、そんなことはなくて。RAは企業から求人を出していただいたり、「良い人がいるので検討いただけませんか」と企業にお伝えしたりといった仕事を通して、求職者さんが働ける場所を広げていけます。CAと同様に、ダイレクトに求職者さんに貢献できているイメージはありますね。

30歳からのキャリアについて

――もうすぐ30歳を迎える潤間さん。20代のキャリアを振り返っていかがですか。

楽しかったです。私はどちらかというと、設定した目標に向かって突き進んでいく「山登り型キャリア」ではなく、状況に身を任せつつ時々現れる分岐点でどちらに進むかを決めながら進む「川下り型キャリア」を歩んできました。常に流れていたためキャリアが停滞している感じもなく、とても満足しています。

――目標を立てずとも、常に前進してきたのはすごいですね。

キャリア支援に携わっているのが大きいかもしれません。相談者さんに対して「目標に向けて頑張りましょう」と言っているのに、自分は何もしないなんて示しがつかないですよね。

相談者さんに対して恥ずかしくない自分でいたいという思いが、私の支えになっていると感じます。

――30代のキャリアをどのように考えていますか。

大きな方向性としては、労働市場の「もったいない」を解消したいと考えています。転職エージェントとして仕事をする中で、働きたい人が働けないという「もったいない」の解消には寄与できつつあると感じています。

今後はそれに加えて、組織単位での「もったいない」を解消していきたいです。例えば、環境が原因で働く人のモチベーションが下がってしまっている状態や、強みが発揮できていない状態を、私は「もったいない」と考えています。

キャリア支援者という枠を超えて、こうした組織の「もったいない」を解消できるような関わりができるようになりたいですね。

わたしのキャリア戦略

――キャリアを考えるうえで、「自分がやるよりも、誰かの応援をしたい」と話していた潤間さん。そう思うようになったきっかけはあるのでしょうか。

学生時代、「将来どうなりたいか」をよく聞かれるじゃないですか。そう聞かれるのが嫌でしたし、やりたいことやなりたいものがない自分はダメな人間かもしれないと、もやもやしていました。

でも、やりたいことの有無に関わらず進路を決めないといけない時期はやってきます。そのときに、「私はやりたいことはない」と割り切ったんですよね。元々ポジティブな性格なので、「やりたいことがないなら、じゃあどうしようか」と上手く切り替えられたのがよかったのだと思います。

――やりたいことがなくて、長い間悩み続ける人も少なくありません。そうした人にメッセージをお願いします。

強い言い方になりますが、やりたいことがなければいけないというのは、洗脳です。

明確にやりたいことを決めなくてもいいんです。大雑把に「こんな方向に進みたいな」と考えるだけで十分だと思います。具体的な「目標」ではなく、もう少し抽象的な「パーパス」(やりがい、存在意義)を決める感じですよね。たとえ些細なことでも、「叶ったら嬉しいな」くらいの粒度でいいのではないでしょうか。

やりたいことがみつからない人の中には、やりたいことを決めたら一生変えてはいけないと思っている人もいるかもしれません。

もちろんそんなことはなくて、やりたいと思ってやってみたことが何か違っていたら、また新しいやりたいことを探せばいいと思うんです。あまり考えすぎず、目の前の小さな「やりたいこと」をいっぱい試してみましょう。

――最後に、キャリアトレーナーとしてユーザーさんをサポートする際に意識していることを教えてください。

ユーザーさんが気づいていない、その人の良いところをみつけたいと思っています。これまで歩んできた人生や経験を肯定できるような関わりをして差し上げたいですね。

「あなたの経験は無駄じゃなかったんですよ」「過去のこの経験があるから今があるんですよ」と、人生のリフレーミングができる場を作れたらと考えています。!

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この記事を書いた人

兵庫県在住のフリーライター。夫と6歳&0歳の息子と4人暮らし。神戸大学卒業後、公務員→派遣社員→BPO関連企業のPMを経て現在。キャリアコンサルタント資格や会社員時代の採用業務経験を活かし、人材系企業のオウンドメディア、スタートアップの採用広報などでキャリアをテーマにした記事を多く手掛ける。今年の目標は小1の壁と0歳育児をどちらも楽しむこと。

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